「不思議の国のアリス展」でコラボした「QuizKnock」伊沢拓司&志賀玲太が来福!

2019.12.26

初版から毎年途切れることなく出版され続け、170もの言語で翻訳されている、イギリスの作家ルイス・キャロルの世界的ベストセラー『不思議の国のアリス』。少女アリスが迷い込む不思議な世界で次々に登場するキャラクターと奇想天外なストーリーは、誕生から約150年を迎える今も多くの人を魅了し続けている。その『不思議の国のアリス』、そして『鏡の国のアリス』の二つを軸に、日本初公開となる資料や、アリスの魅力に影響を受けた国内外のアーティストの作品と共に紹介しているのが現在開催中の「不思議の国のアリス展」。本展では2種類の音声ガイドも用意され、その中の「クイズ・バトル編」の監修から声の出演まで務めた、YouTubeなどで人気を博す東大発の知識集団「QuizKnock」。今回はリーダーの伊沢拓司、メンバーの志賀玲太が来福し、本展の魅力を詳しく解説してくれた。

――今回どういった経緯で、タイアップに至ったのでしょうか?
伊沢「一年以上前になりますが、東映さんからオファーをいただきまして、その時“アリス”について感じたのが、僕らの暮らしの中に文化として入っているにも関わらず、“アリス”について知る機会ってそんなになかったなと。ルイス・キャロルが遺した『不思議の国のアリス』という世界観についてしっかり学ぶ場面がなかったし、僕たちは普段から学びを繋ぐお仕事をさせていただいているので、この作品と自分たちの相性はいんじゃないかなと感じました」
志賀「知っているようで知らないことってクイズと相性が良く、色んな方にお届けするお手伝いができるんじゃないかと思い、こういった形でコラボさせていただきました」
伊沢「クイズ的世界観もありますし、ルイス・キャロル自身、クイズ作家であるとも言える側面もありますので」
――“アリス”の世界観と改めて向き合ってみて感じたことは?
志賀「今、アリスのイメージってちょっとメルヘンな文化の一部になっているところもありますが、その原点を見ていくとそれだけじゃなくて、、むしろ奇妙であったり、不条理であったりするんですね。その中に文学的な言葉の表現もあって、こんなにも奥深い世界観だったんだということを肌で感じました」
伊沢「文化的な奥行きや懐の深さはすごいものがあって、『この言葉も、この表現もアリス由来なんだ』と、“知識の交差点”になっているイメージだったことに改めて気付かされました。クイズ作家としては、難しいものを作るなと思いました(笑)。ハイレベルな超難問が好きだったんだろうなと思うし、すごくハイソな方でそれをそのまま振りまいているのがすごいのかなと」
志賀「でもだからこそ今、子供から大人まであらゆる世界で親しまれていると同時に、文学的な深みがありながらも、わかりやすい部分と難しい部分が両立できていて、それが今もなお受け入れられている理由なのかなと実感しています」
――今回のクイズはどんな内容になっていますか?
伊沢「今回は正解を目的にしたクイズではなく、きっかけを与えるような内容になっています。少し難しくはなっていますが展覧会を見ていただくと、スッと答えが入ってくるようになっています。逆に言えば、正解できないところを見つけることで、『ここ、ちょっと見逃していたな』という気付きにも繋がりますね」
――今回の見どころは?
志賀「ジョン・テニエルの挿絵をはじめ、アリスの物語に添える絵としての作品が網羅できるのが一番の見どころですが、私としては例えばサルバドール・ダリや草間彌生さんの作品によるアリスの絵本など、芸術家の方が自分のスタイルを保ちつつアリスの世界観をどう表現するかに重きを置いた作品がたくさん集まっていることがとても魅力的だと思います」
伊沢「アリスの世界観を網羅的に展示することによって、自分が持っているアリス像が複数の方向から照らし出されるので、今まで自分が学んできたことにも改めて気付けると思いますし、それをサポートするのが我々のクイズなので、そういう意味でも相性が良かったです」
――その気付きになった点で特に印象的だったことは?
伊沢「原画のアリスってちょっとイメージが違っていて、思っているよりも大人の顔つきのものもありますし、文学なので捉え方がたくさんあるなと改めて気付けます。それを第三章で色んな作家さんが思い思いのアリスを作っていて、一連の芸術家たちが思い思いに解釈をすると、こんなにも幅が出るのかと驚かされるし面白いですね」
志賀「私の中で気付きという点でひとつ作品を挙げるとすれば、ヤン・シュヴァンクマイエルという作家さんによるものですね。シュヴァンクマイエルさんは元々映像作家でもあるのですが、少しグロテスクな作品を作られる方である種、不気味なんですね。今でこそ可愛いものとして捉えられがちなアリスですが、シュヴァンクマイエルさんの作品を見ていると、もしかして本当はこんな世界なんじゃないかと思わせてくれるんです。不条理で暗く何かが渦巻いているような世界がアリスにはあるんじゃないかと気付かされる部分があります。ちょっと自分のアリス感が変わるような作品です」
――音声ガイドではQuizKnockの皆さんの「クイズ・バトル編」の他に、映画『アリス・イン・ワンダーランド』でマッドハッターの吹き替え版の声も務められた平田広明さんが謎の英国紳士に扮した「魅惑のワンダーランド編」の2種類ありますね。どんな鑑賞方法がお勧めですか?
伊沢「僕らの「クイズ・バトル編」は問いかけになっていて、平田広明さんの「魅惑のワンダーランド編」は展示を見ながら謎の英国紳士に誘われるような感じがあるので、最初はそれを体験していただいて、次に我々の「クイズ・バトル編」で気付きを得るような、2回見ていただくのがお勧めの鑑賞法です(笑)」
――今回こういった形で関わられて良かったなと思ったことは?
志賀「あくまでも既存の作品という事実に沿っているものなので、その事実をどう伝えるのか。その“HOW”の部分を今回の音声ガイドという方法によって、見る方の理解や鑑賞の深さに繋がることを実感できたのは良かったです」
伊沢「こういったテーマに即したコンテンツを作る作業は初めてでしたが、それを自分たちの中で高められたことを実感できましたし、より僕たち自身を成長させてくれたお仕事でした。それと「リアル脱出ゲーム」とのコラボや、体感型のメディアアートもあるので、色んな楽しみ方ができると思います」
QuizKnock(クイズノック)とは
東京大学を中心とした学生ライターによって運営されている「東大発の知識集団」。クイズや謎解きを解いて能動的かつ楽しく学ぶことで「気づいたら知識がついている」をコンセプトに現在、Webメディア・YouTubeチャンネルを配信中。クイズバラエティ番組「東大王」にも出演し注目を集め、現在YouTubeのチャンネル登録者数も100万人を超えている。
不思議の国のアリス展
2019年12月3日(火) ~ 2020年1月19日(日)
※休館日:毎週月曜日・12月28日~1月4日 (ただし1月13日は開館、1月14日は休館)
@福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園1-6)
http://www.alice2019-20.jp/
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