福島第一原発事故の知られざる真実!『Fukushima 50』主演の佐藤浩市らが来福。

2020.3.26

2011年3月11日に発生した東日本大震災により福島第一原発で起こった事故に立ち向かう人々を、日本映画史上最大級のスケールで映画化した『Fukushima 50』。原発内に残り続けた地元・福島出身の作業員たち50人を海外メディアは“Fukushima 50”と呼び、耳目を集めた。世界中が固唾を飲んで見守る中、現場で何が起きていたのか?そして何が真実なのか?家族、ふるさとを想いながら死を覚悟して発電所内に残った人々の知られざるドラマが、震災から10年目を迎える今、明らかになる――。3月6日の公開前に、主演の佐藤浩市、共演の萩原聖人、そしてメガホンをとった若松節朗監督が、T・ジョイ博多の舞台挨拶に登壇した。

――私たち日本人にとってすごく大切な作品となりましたが、まず映画化しようと思われた理由をお聞かせください。
若松「2013年に原作者の門田さんからいただいて、角川映画がこの映画をやると決まったのが5年前です。だから先に読んでいたので、冒頭から緊張感、緊迫感溢れる描写を映像化するのは大変だろうと思っていました。まさか自分に依頼が来るとは思ってなかったのですが、こういった事故があったことを次の世代に語り継いでいかなきゃいけないと思ったことと、日本人の生き様…、福島の作業員たちが命懸けで頑張ってくれた素晴らしい生き様に心動かされ、映画化に挑みました」
――福島第一原発1・2号機当直長を演じられた佐藤さんが特に役作りで苦労されたことは?
佐藤「渡辺謙さん演じる福島第一原発の吉田所長は、マスコミにも露出されていた方なのでご覧になったことがある方もいらっしゃると思いますが、僕らの役も実際にモデルの方がいらっしゃって、映画では名前を変えた人物として演じさせていただきました。演じる僕らはこの先に何が起こるかわかりますが、当時そこにいた方々は一分一秒先すらわからない…。最悪の事態を想定しながらそこに立っているという緊張感を観ていただく方々に伝えられるかという恐怖心は常に抱えていました」
――萩原さんはいかがでしたか?
萩原「極限状態の中で理性とか知性を持ちながらも苦渋の決断をしなくてはいけない。そういうものがちゃんと伝わればいいなと思いながら伊崎当直長を演じた佐藤浩市さんの背中を見ながら演じていました」
――撮影する上で監督が気を付けられたことは?
若松「実際の事故を追っていくために時系列に沿ってほぼ順撮りで進めていったことと、震災当日は非常に寒い日でしたので、我々の撮影もなるべく役者を寒さに追い込んで撮りたいなと思い寒い時期をあえて選んで撮影に臨みました」
佐藤「こういった内容だからメンタル的にはものすごく辛いので、カットとカットの合間にはちょっとした会話もしたくなるんですが、それをすると監督が嫌な顔をするんです(笑)」
若松「この映画は、佐藤浩市さんがいなければ出来なかった作品なので、そんなに甘く考えないでよって(笑)。佐藤さんは俳優界の頂点にいらっしゃるような方なので、 “佐藤浩市教”というか、皆その後ろ姿を見ているんですね。だから佐藤さんには凛とした佇まいでいてほしいという想いでした(笑)」
――それでは最後に一言ずつお願いします。
若松「冒頭、津波が原発の建屋を襲いSBO(全交流電源喪失)という状況になるのですが、津波、地震、そして1号機、3号機の爆発と次々に見るに耐えない映像が続きます。でも最後まで観ていただけると、これが日本人の良さだと誇れるものが分かってもらえると思いますので、ぜひ最後まで踏ん張って観ていただけたら嬉しいです」
萩原「3.11の震災当日はすごく寒い日でしたが、映画はすごく熱い作品となっているので、ぜひご覧いただけたらと思います」
佐藤「本作の最後は桜のシーンで終わろうということになり、1月に撮了はしたんですけど、本物の桜を撮るんだったら福島の桜を撮りましょうという、監督はじめ皆そんな想いの中、桜のシーンを帰宅困難区域の富岡町で撮りました。桜も散らずに僕ら撮影隊を待っていてくれたんですけど、それを見た時に色んな意味で複雑な思いが込み上げきました。監督がおっしゃったように女性には辛いシーンやカットもあります。だけどこの映画をご覧になり劇場を後にして街行く人々を見た時に、必ず胸に去来するものがあると思います。その時に皆で色んなことを考えていきたい…。この未曾有の大災害は負の遺産ではあるんですが、人間が少しずつ前向きになることで、そうじゃない形の遺産の形に変えて明日にバトンを渡せると思っています。ぜひごゆっくりご覧ください」

マグニチュード9.0、最大震度7という巨大地震が起こした想定外の大津波が、福島第一原子力発電所(イチエフ)を襲う。浸水により全電源を喪失したイチエフは、原子炉を冷やせない状況に陥った。このままではメルトダウンにより想像を絶する被害をもたらす。1・2号機当直長の伊崎ら現場作業員は、原発内に残り原子炉の制御に奔走する。全体指揮を執る吉田所長は部下たちを鼓舞しながらも、状況を把握しきれていない本店や官邸からの指示に怒りをあらわにする。しかし、現場の奮闘もむなしく事態は悪化の一途をたどり、近隣の人々は避難を余儀なくされてしまう。官邸は、最悪の場合、被害範囲は東京を含む半径250㎞、その対象人口は約5,000万人にのぼると試算。それは東日本の壊滅を意味していた。残された方法は“ベント”。いまだ世界で実施されたことのないこの手段は、作業員たちが体一つで原子炉内に突入し行う手作業。外部と遮断され何の情報もない中、ついに作戦は始まった。皆、避難所に残した家族を心配しながら―。

『Fukushima 50』‘20/日/122分

監督
若松節朗
原作
門田隆将 「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)著
出演
佐藤浩市、渡辺謙、吉岡秀隆、緒方直人、火野正平、平田満、萩原聖人、吉岡里帆、斎藤工、富田靖子、佐野史郎、安田成美、他

※ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ 福岡ももち、中洲大洋、他にて大ヒット上映中
https://fukushima50.jp

©2020『Fukushima 50』製作委員会

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