オンライン展覧会『How Can We Think of Art at a Time Like This?』に、現代美術作家・束芋が参加

2020.5.27

新型コロナウイルス感染拡大の影響でアメリカの美術館やギャラリーが閉鎖され始めたこの3月、バーバラ・ポラック氏とアン・ヴァーハーレン氏が立ち上げたオンライン展覧会『How Can We Think of Art at a Time Like This?』に、今や国内外から高い注目を集める気鋭の現代美術作家・束芋も参加(公開中〜6月15日1:00AM迄)。作品映像のフルバーションをオンラインで観ることができるこの貴重な機会、ぜひチェックして欲しい。
これまでネット上での作品公開を避けてきた束芋が、この展覧会へ参加することへの思いを綴ったステートメントは、以下。

束芋ステートメント

世界中で大きな変化が必要な中、人間の持っている能力の中で圧倒的に重要になっているのが「想像力」だと考えます。ソーシャルディスタンスやリモートワークなどの感触や感覚が薄くなってしまう状況下では勿論、各国がより自国に合ったコロナ禍の出口を探る中、表面に現れない、記述もされない多くの情報をどうイメージできるかということは、コロナ後の未来を左右することだと思います。
私は自作において、ネットで公開することを今まで避けてきました。それは自身の作品が実体験でしか得られないことに重きをおいていることを痛感していたからです。いつ、どのような状況で、どんな場所で自身の作品と関係を結んでもらえるか。そのことによって、作品はその鑑賞者のためだけにそこに存在できる可能性を得られます。作品を発表する時、対峙してくれた鑑賞者の数だけ作品の可能性を広げられるという喜びがありました。と同時に、ネット公開においては、鑑賞者へのそのような過度な期待はできないと考えていました。
今、これだけインターネットの利用を余儀無くされる中、想像力がなければ“人間の生活に不可欠な感覚”を得ることができず、文化は廃れていくでしょう。生活に不可欠な‘感覚’を得ることができず、文化は廃れていくでしょう。これからの社会で、実際に作品を前にして鑑賞するということも特別になるかもしれません。反面、人間が想像力を鍛えれば、ネット上の文化も厚みを増していくはずです。
そして、そんな人々が、今後特別になっていくかもしれないアートの実体験を得た時には、きっと、鍛えられた鋭い感覚、想像力によって、アートは今まで以上に価値あるものになっていくのだろうと「想像」しています。

作品画像クレジット

©Tabaimo / Courtesy of Gallery Koyanagi and James Cohen Gallery

『How Can We Think of Art at a Time Like This?』

https://artatatimelikethis.com/tabaimo

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